恩師 川嶋辰彦学習院大学名誉教授を偲んで

 学習院大学で初めてお目にかかって以来、その後、公私に亘り40年余りの間お世話になった恩師の川嶋辰彦先生が、昨年令和3年11月4日にお亡くなりになりました。謹んで、先生のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

 先生については、これまでにも多くの事が既にあちらこちらで語られておりますので、ここでは、今まで触れられていなかったエピソードなども少しお話できればと思います。まず最初にお伝えしなければならない事は、今の私があるのは、ひとえに先生のお蔭であるという事でしょう。例えば、恥ずかしながら私の教育者としての”姿?”は、もしかしたら単なる”ものまね”に過ぎず一笑に付されてしまう事かもしれませんが、先生からの影響を強く受けていると思います。また、私が学生だった時は、先生はまだ40代半ばであり、海外経験も豊富な先生は、伝統的(少々古風?)な学習院大学の校風の中では一際目立つ存在だった様に記憶しています。その様な意味でも、当時から先生は”憧れの人”でした。とにかく、先生については書きたいことがそれこそ山ほどあるのですが、とにもかくにも、私が最も驚いたのは、先生の謙虚なお人柄でした。当時は、まだまだ先生というのは、我々、学生にとっては、ある意味で”天井人”の様な存在であり、特に、それまで多感な時期を含め12年もの間、学習院で教育を受けた私にとっては、先生というものはただただ畏敬の念を抱く対象でしかなかったし、幸か不幸か?その様に育ってきてしまいましたので・・・。この様なバックグラウンドに身を置く者として、学生の私たちにも丁寧語或いは敬語の様な言葉使いでお話しされる先生のお姿は、当時の私にとっては本当に衝撃的な出来事でした。こちらが逆に畏まり過ぎて、一体どの様な言葉使いで先生とお話したら失礼に当たらないのか、そればかり気になって最初はなかなか会話にならなかったのが、昨日の事の様に懐かしく思い出されます。(申し訳ありません、続きはまた時間を見つけて書きたいと思いますので・・・、To be continued!)


廣部恒忠 地理空間解析ラボラトリー

I am a researcher interested in regional science, especially in the analysis of geospatial issues. Currently, I work as a professor at the Faculty of Economics, Meikai University in Chiba, Japan.